中古車の売買契約で失敗しないために
中古車の売買契約/個人売買編
中古車を個人売買で購入する際には、必ず自動車売買契約書を作成しましょう!
車の購入先を比較検討でも触れましたが、個人売買は理想的な車の売買方法です。メリットも大きい反面、一歩間違うと大変な損をしてしまう可能性も秘めています!個人売買だからこそ、しっかりとした契約書の作成が必要だとも言えます。契約書を作ったりするのにお金がかかったり、契約書の作成は大変そうだと思うかもしれないですが、「お金」も「時間」もそれほど必要ではありません!私(自ら)が車の名義変更をしない場合は、日本法令から販売されている「自動車売買契約書」を利用しています。この契約書は、主に、個人間による自動車の売買にもちいるための契約書です。3枚複写で詳しい解説書が付いているので、よく読めば誰でも簡単に契約書を作成できます。価格も2部で500円です。これなら一から契約書の約款などを作成する手間も省けますし、金額的にも万が一のトラブルを考えれば安いと思います。
自動車の売買契約内容で重要なこと!
車の状態に関して
大きく車の価値(価格)を左右する重要な要素があります!
- 走行距離
- 中古車の価値を決める重要な要素です。実際の走行距離とメーター表示の走行距離との不一致に注意!ワンオーナー車であれば、現走行距離表示に間違いありませんと一筆付け加えておくとよいでしょう。
- 修復歴
- ここで言う修復歴とは、日査協、中販連、公取協などの統一基準で定義されている修復歴です。中古車の修復歴の定義は法律で決められてる訳ではないので、個人売買の場合は上記の団体の定義でと付け加えておくとよいでしょう。
- ※日査協=財団法人 日本自動車査定協会
- ※中販連=社団法人 日本中古自動車販売協会連合会
- ※公取協=社団法人 自動車公正取引協議会
支払い方法に関して
何時どのような方法で支払いをするのかは重要な内容です。基本的には車の引渡しと引き換えに現金一括で支払いをすることが多いかと思いますが、分割する場合や銀行振り込み、名義変更を完了してから支払いなど、条件はいろいろと考えられます。お互いできちんと話し合って契約書に明記しましょう。
車の名義変更に関して
意外とトラブルが多い事項なので、車の名義変更の時期も重要な内容です。車の名義変更を誰が行うのか、名義変更は何時までに行うのか、名義変更するまでの間に人身事故が起きた場合の責任の所在はなど、きちんと明記しておきましょう。ここで言う責任の所在とは、車の所有権が誰にあるのかということです。車の名義変更前に、車を引きとる場合が多いかと思います。通常その時点での車の名義は、前所有者になっていますが、車の所有権は新所有者になります。この点は、車を売る側が特に気をつけたほうが良いポイントかもしれません!名義変更前に新所有者が人身事故を起こした場合、新所有者が試乗のために一時的に借りただけなどと主張したり、賠償する能力がないなどの理由により、旧所有者(現名義人)も賠償責任を問われる可能性が無いとは言い切れないからです。実際には車の売買によって所有権は移動していますが、証明するものが無ければ、問題解決が長引いてしまうかもしれません!また駐車違反などの呼び出し通知が来たりした場合、契約書があれば既に売却したことを証明できます。
少し話が脱線しますが、個人売買で車を購入した場合の、車の引き取り時の注意事項です。必ず車を運転(移動)する前に、任意保険に加入しておきましょう!名義変更前でも加入は可能です。事前に車検証のコピーをもらっておけば加入手続きもスムーズに行えます。新規に加入、車両入れ替え、増車などにより手続きの流れは変わると思いますので、詳しくは自動車保険会社や代理店に確認してください。せっかく車を手に入れたのに、事故に巻き込まれたりして、多額の賠償責任が生じてしまったのでは、意味がありません!そうそう試乗する場合にも細心の注意が必要です。その時点で自動車保険に加入していれば、仮に事故が起きた場合でも、他車運転特約などで保障をすることが可能ですが、未加入ですと車の所有者が加入している自動車保険を利用する手立てしかありません!最近の自動車保険はいろいろと限定条件をつけることにより、低価格を売りにしている保険会社もあります。そうでない場合でも保険内容が複雑となっています。試乗の前に、万が一の事態が起こった場合に、自動車保険の適用を受けることが、可能かどうか確認するくらい慎重になっても良い重要な注意事項だと思います!
中古車の売買契約/中古車販売店編
中古車販売店から購入する場合でも契約内容を、よく確認しましょう!
中古車販売店と言っても様々な形態があります。大きく分ければ3つ4つ程度になると思います。残念ながら、その中には悪質な業者も少なからず存在しています。信頼できる販売店から購入することが出来れば、トラブルに遭う可能性は低くなるでしょう!ただ信頼できる販売店かを判断するのは容易ではありません。信頼できる中古車販売店を見分けるポイントは別の機会にさせていただくとして、ここでは主に契約書の内容についてです。
自動車の売買契約内容で重要なこと!
契約内容についての説明があるか
まず中古車販売店であれば、口頭での契約は無いとは思いますが、書面にて契約書を作成する際に、契約内容について担当者から説明がきちんとされるかを確認!いきなり、ココとココに署名や捺印を求めるよな中古車販売店(担当者)であれば、即!契約せずにお店を後にしたほうが良いでしょう!!契約の段階まで話が進んでいると、断りずらいかもしれませんが、勇気を出して断らないと痛い目をみる可能性が高いです。最悪、断れない場合やどうしてもその車が欲しかったりする場合は、契約内容の説明を求めて対応を見極めましょう←お勧めは出来ません!次に一応の説明はあるが、契約書の約款や規約について説明が無い場合は、詳しく説明してもらいましょう。署名や捺印をする前に、必ず自ら目を通し、疑問なことがあれば、納得できるまで署名や捺印はしないことです。担当者の対応としてベストなのは、自ら重要な事項などについて詳しく説明することです。特に初めて車を購入する時は、直ぐに乗りたいという気持ちが先行してしまいがちなので、冷静に契約内容を確認しましょう!
契約内容の重要事項について
必ず確認したほうがよい項目です。ただし中古販売店の場合は自動車売買契約書というよりは、自動車注文書とされていることが多いかもしてません。また契約内容もお店によって様々ですので、下記項目が必ず契約書に記載されているとも限りません。個人的に下記は重要項目だと考えていますので、契約時に確認ください!
- 契約の成立時期
- どの時点で契約が成立するのかを確認。たいてい契約書(注文書)に署名、捺印した時点だと思いますが、自動車の場合、クーリングオフの適用がないので、安易に契約をすることは避けましょう!例えば家族に相談しないで、契約をしてしまい、猛反対されて契約の解除を申し出たところ、解約違約金などを請求されることになります。オートローンを利用する場合は、オートローンの契約年月日になる場合もあります。
- 契約の解除
- もし契約を解除した場合、違約金などの支払いについて確認。契約直後であれば、違約金を支払うことで契約解除できると思いますが、カーナビゲーションなどの架装が完了していたり、車検整備や納車整備済みであった場合は、その実費や損害も支払うことになりかねません!最悪、名義変更が完了後に、解約なんてことになったら大変です。利益分まで請求されるかも……。とにかく慎重に契約することが重要ですが、契約内容がどのようになっているかの確認も大切です。
- 車両代金などの支払い時期と方法
- 納車前に車両金額など全額を支払うことが一般的です。現金で支払いを行った場合は、領収書を必ず発行してもらいましょう!大金を持ち歩くのも危険なので銀行振込みを利用することをお勧めします。
- 車両の瑕疵
- まず瑕疵とは?瑕疵を辞書で引くと「欠陥」、「過失」、「キズ」、「欠点」などとあります。中古車の場合は、車の欠陥と解釈するとわかりやすいです。ここでは、購入した車両に瑕疵があった場合の対応を確認。消耗品類や走行距離から考えて、通常生じる瑕疵は保証の対象外となるのが一般的です。逆説的に考えると通常生じないであろう瑕疵は売主に責任が生じます。具体例を挙げると「修復歴なしとして購入した車に修復歴があった場合」、「メーターの交換や改ざんなどで、走行距離が違っていた場合」、「何度修理しても直らない重大な欠陥がある場合」などです。ただ瑕疵があった場合の対処方法が明記されている契約書は少ないと思います。現実問題として故障であれば納車後に発覚しますが、メーターの改ざんや修復歴の相違は、直ぐに発覚しないので、どのような対処方法がとられるかはケースバイケースになります。可能であれば、どのように対処するのかを契約内容に加えておくと安心です。返品にて対応?減額にて対応?など。私は以前にメーター改ざんの疑いのある車を購入したことがあります。
- 下取り車の再査定や瑕疵(下取り車がある場合)
- 車を下取りしてもらう場合は、再査定を行うのか?仮に瑕疵があった場合の対処を確認。ワンオーナー車であれば、修復歴や走行距離に間違いはないと確信を持てますが、中古で購入した複数オーナー車の場合は、自分では認識していない瑕疵がある場合があります。再査定後に瑕疵があったので減額や下取りできないので、その分を現金にて支払ってくださいと言われる場合があります。再査定する場合は、面倒でも、納車時に行うのがベストです。販売店によっては、嫌がる場合もあると思いますが、前もって契約内容に加えておくことをお勧めします。
- 保証
- 保証付の場合は、保証の範囲を明確にしておきましょう!また口頭での約束ではなく、必ず書面にしておくことが重要です。
業界団体に加盟している中古車販売店
個人売買編の中で、中古車の修復歴の定義は法律で決められてる訳ではないのでと記載していますが、「自動車公正競争規約」という規約があります。中古車の修復歴についても定義されています。
これは自動車業界が自主的に設定したものですが、表示連絡会等において消費者や学識経験者の意見を取り入れ、さらに公聴会を経て、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)第10条に基づき公正取引委員会から認定を受けた社会的に認められたルールです。自動車以外にも不動産、銀行、旅行、家電製品、タイヤ等の業界においても商品特性や取引実態に則した「公正競争規約」があります。
自主的に設定してある規約ですが、それなりに効力がある規約だといえます。
ここで何を言いたいかと申しますと「中販連」、「公取協」の会員であれば、自動車公正競争規約に基づき中古車の販売を行っています。仮に会員(会員店)とトラブルになった場合や規約違反行為があった場合は、各団体の消費者相談窓口に、相談・助言・指導を依頼する事が可能です。契約についても中販連監修の約款があります。
初めて車を購入する方や契約に不安がある方は、上記の団体の会員(会員店)から購入するのがよいかと思います。もちろんその他の販売店であっても信頼できるところはあります。
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